ドクター本多の相談室

院長コラム

NO.10 本当の歯周病予防とは~その2~

歯周病、ひいては生活習慣病を予防するには食生活が非常に重要な役割を果たしていることを前回まででお話してきました。今回、その他の歯周病予防に大変重要に関係している因子をあげてみたいと思います。

① たばこ
 喫煙が、肺がんを始めとする肺の病気の最大の原因であることは常識になっています。それだけでなく、消化器疾患や心臓病・脳疾患など万病の元となっています。
また、妊婦の喫煙は、流産や低体重児出産・奇形・新生児喘息・知能低下を引き起こします。また、自分がタバコを吸わなくても吸う人のそばにいることでうける「受動喫煙」のほうが何倍も有害だといわれています。つい先日もアメリカの学会で、親からの受動喫煙を受けている子どもの知能の遅れがそうでない子供に比べて顕著であることが発表されました。もちろん歯周病にとってもたばこは最大の危険因子です。肺にたばこの煙が到達する前にお口の中を通過するわけですから当然です。たばこの煙の熱などによる物理的な刺激と、ニコチンや一酸化炭素・タールなどの有害物質の科学的な刺激により、歯肉に流れる血液の量が極端に減ってしまいます。このため歯肉の抵抗力が落ち、歯周病が急速に進行するのです。
アメリカ疾病対策センターのスコット・トマー博士らがまとめた「たばこと歯周病の関係結果」では喫煙者は非喫煙者に比べ、約4倍歯周病になりやすく、また、禁煙すると歯周病への影響はだんだんと少なくなり、11年以上たつと非喫煙者とほとんど差がなくなっていたということです。日本人の成人男子は二人に一人が喫煙者です。これは先進国の中では異常に高い喫煙率ですがそれでも少しずつ下がってきています。逆に上がっているのが女性の喫煙率です。次の世代を担う子供を生み、育てていく立場の女性には、是非喫煙率ゼロになっていただきたいと思っています。

② 口呼吸
 正しい呼吸は、鼻から吸って口から吐きます。これを口から吸い続けると口の中が乾燥してきます。口の中は唾液でぬれた状態でないといけません。唾液の中には細菌と戦ってくれる抗菌物質がたくさんあります。口の中が乾燥し、歯肉の周りに唾液が少なくなるとこの抗菌物質も減少し、歯周病菌にやられやすくなってしまいます。また、歯周病菌の出す毒素を唾液は洗い流す役目もしているので、この働きもなくなってきます。鼻の病気でつねに鼻が詰まっていたり、疲れがたまっていたりすると口呼吸になりやすくなりますので、気を付けなければなりません。

③ くいしばり・歯ぎしり
 日中、知らず知らずのうちに歯をくいしばっていることはありませんか?また、夜、歯ぎしりをしていませんか?くいしばりや歯ぎしりは長い時間、不要な力を歯を支えるあごの骨に与えています。1日3食、しっかり噛んで食事をしても上下の歯の接触時間はトータルで10分位ですが、くいしばりや歯ぎしりは時間単位で接触しているので、あごの骨に与える影響は非常に大きいものがあります。特に歯ぎしりは歯を横に揺らす力がかかるため、歯周病が進行しやすいのです。くいしばっていることに気がついたら止めること、また、歯ぎしりがひどい場合には、歯科に相談してください。

④ 姿勢
 足を組んでいすに座ったり、猫背だったりなど、姿勢が乱れると下あごの位置がずれ、かみ合わせのバランスが悪くなります。すると、数本の歯に咬合力が集中することになるので、その歯を中心に部分的に歯周病が進むことになります。テレビを見ながら食事を取るとテレビの置いてある方向ばかりを向いて食べることになるので下あごのずれを起こします。食事中のテレビは絶対にやめてください。

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