ドクター本多の相談室

院長コラム

NO.9 本当の歯周病予防とは~その1~

歯周病菌が原因といわれている歯周病も、ガンや糖尿病・心疾患などと同じ生活習慣病の一つだということは何回もお話してきました。「松枯れ」おこした「松」に「松くい虫」を殺せばいいからと消毒剤をいくらかけても根本的な解決にならなかったことは以前ご紹介いたしましたが、元来、自分のお口の中で矯正している歯周病菌にやられないためにどうしたらよいのか、ベルツ博士やモース博士の実験・島田彰夫先生や中原市五郎先生のお話などから、お解りになったことと思います。それは、歯周病菌などにはやられない頑丈な体を作ることです。などと言うことは簡単ですが、実際にはどのようなことに気をつけて生活すればよいのでしょうか?

まず第一は「食」の問題です。二回にわたる「食生活の革命」(1回目は文明開化、二回目は第二次大戦後)は、日本人が歴史的に築き上げた食生活の体型や食術を崩壊させ、その健康をも破壊してしまいました。6000年以上前から日本人はお米を中心とした食文化を世代を重ねながら作り上げて来ました。それをここ100年のうちにあっさりと捨て去ってしまったのです。このような短期間での大幅な変化には体は用意には適応できません。
文明開化では、その破壊はまだ一部の人や地域のみに限定されていたようでしたが、第二次大戦後はアメリカの食料戦略もあって、日本中いたるところの、一般庶民の隅々までその影響を受けてしまいました。それは農薬や食品添加物漬けの食材、加工・冷凍食品、スナック菓子類などであり、食生活(炭水化物の現象と動物性食品やタンパク質・脂肪の過剰摂取)や食スタイル(朝食にパンと牛乳など)の欧米化であったのです。今ではこれらを抜きにわれわれの食生活は成り立たなくなってしまいました。そしてこれと肩を並べるように生活習慣病は急増してきました。

今や子供たちまで、「疲れやすい」「肩がこる」「腰が痛い」「目が悪い」「生理不順や生理痛がひどい」などという症状を訴えるのは当たり前のような(島田先生はこれを「無意識の不健康」と呼んでいます)、将来の「生活習慣病予備軍」も非常に多いように言われています。まさにわれわれ日本民族の危機的状況です。

このような状況から脱するには、どうしたらよいのでしょう?大変難しい問題がいくつもありますが、最低限、感じていただきたいことは、自分が「ヒトという動物」であるということを意識することです。ヒトという動物がどういう特徴を持っていて、どんな食性であったかは「No.6」でとりあげました。そしてもう一つ、自分が「日本人である」ということを強く意識していただきたいと思います。厚生労働省や栄養学者が「欧米と比べて・・・」とよく用いますが、環境も、非常に長い間の食習慣もすべてが違う欧米人と日本人は「似て非なる動物」です。温暖で豊かな自然環境に恵まれ、穀類・豆類を主食とした食文化を祖先は累々と築いてくれました。
「日本人を意識する」ということはわれわれが数百年代、数千年代にわたって適応してきた身体に急激な変化を与えることの危険性を意識してのことであり、健康を考える上でも、生活全般について日本人を意識することの重要性を認識することだと思います。

二世代前までの日本人の食生活は、ヒトという動物の食性に非常に近いものがありました、現在の乳肉類やタンパク質、カルシウムなどに対する過剰なまでの進行を捨てて、デンプン色を基本とした食生活の再構築が必要だと思います。前述の島田先生のお言葉をお借りすると「ご飯と味噌汁は現在のニ~三倍に、おかずは三分の一に」することがヒトの食性とも調和した食生活になり、健康な身体を取り戻す第一歩になるのではないでしょうか。

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