ドクター本多の相談室

院長コラム

No.8 日本食養道から考える~その2~

前回、紹介いたしました日本の歯科医師の祖、中原市五郎の著した「日本食養道」の中で、彼は自分のことについてこう紹介しています。

『私が食養を研究し始めてからすでに40年になりますが、それ以来大なる病気もせず一本の虫歯も無く七十余歳の今日尚ご覧の通り壮健であります。
この食養に注意した動機は、二十五・六歳頃から胃腸を害し、他にも神経衰弱・感冒と常に病みがちでしたが、明治三十年頃、石塚左玄先生から食養の指導 を受けるようになり、以来見違えるような身体になりました。
私は当時、何でもかんでも栄養を取れという医者の奨めで盛んに肉食をした結果、益々健康を害したので、石塚先生はこの西洋流とは反対に、強飯に胡麻塩をかけて食べることを教えられ、また、大根・蓮根・ごぼう殊に沢庵なぞを奨められました。

日本人の主食は米であります。
イネという言葉はイのち(命)の根という意味であります。

玄米を精白して糠(ぬか)をとった白米が一般に用いられていますが、 白米は米の粕(かす)で粕という字は米偏に白という字を書き、健康保持の成分はみな糠となって取り去られています。
糠という字は米偏に健康の康の字を書きますが日本語は実によく出来ています。
玄米と白米を比較しますと、たんぱく質が三割二分、脂肪は九割、無機成分が九割、繊維が九割二分玄米より白米のほうが少なくなっています。
そこで今、白米の代わりに玄米を主食物にすれば栄養価が十分ですから副食物はごく簡単に済み 胡麻塩少々、味噌汁一椀、お香のもの二三切れで足りることになります。
後略』
このように自分の実体験で食がいかに健康に関わっているかを述べ、穀類殊に玄米の重要性を示唆 しています。

また、彼は児童の近眼の増加が社会問題になっていることをとりあげました。
当時、近隣の富士見小学校の児童千人中二百五十人も近視児童がいたそうです。
そこで私費を投じ、近視で虚弱体質な児童四十人を「児童正食会」に集め、朝・昼・夕食とおやつ計一日四回を給食とし三ヶ月間、正しい食生活を指導しました。
その内容は、主食に三分づき米から徐々に一分づき米、それと味噌汁・胡麻塩・沢庵・大根おろし・番茶や玄米茶・野菜や海藻類などの組み合わせでした。

成果は一月目から現れ、三ヶ月が終わる頃にはすべての児童が頚部リンパ腺や扁桃腺・アデノイドなどの腫れが無くなり、近視のほうも1名途中で脱落した児童以外全員が(0.04→0.2)(0.025→0.1)(0.6→正視)(0.2→正視)など治癒または改善していました。
その他、呼吸器疾患の治癒や挙動の落ち着き・寝起きがよくなったなど、体位、体質の著しい変化も認められ、中原自身が食養の効果に改めて驚いています。

児童の感想文も1名紹介いたします。

『5月7日、この日は僕たちにとってはかなりいやな日であった。それは正食会でご飯を食べるからだ。
そればかりかお菓子は一つも食べてはいけないという。
始めはつらかったが日がたつにつれてお菓子の味を忘れたような気がする。
一週間も経つともうつらくない。
たった一週間なのに驚いたことは、目の検査で左目が0.2から0.5右目が0.3から0.9になっていた。
信じられないけれどすっかりうれしくなった。
日本人にはお米はとてもとても大切なものだと思った。
もっと食養をして僕の目を完全な目にしてみせます。』

この児童を始め、やり遂げた全員が『おいしそうなご飯の香り』『よくかむと甘い』『目がよくなり心が落ち着き疲れなくなった』『顔色がよくなり目が大きくなった』『声が大きくなった』など食養のすばらしさを認めていました。

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